風来ガール、なんか書く。

2度目の免許更新。2度目の初心者講習。

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先日、人生2度目の免許更新に行ってきた。即日交付が可能な免許センターまでは、自宅から約1時間かかる。少し長めのドライブになるが、最近はコロナで相変わらず自宅に引きこもりっぱなしだし、理由でもないと遠出することもないので、いい機会だと思って、気晴らしにもなるだろうと前向きな気持ちで免許更新に行ってきた。

今回は人生2度目の更新。次は5年間有効だぞ!1時間の講習で済むぞ!と思っていたのに、何故か更新のお知らせのはがきには「初回更新」となっており、初心者講習を受けるようにと書いてある。まあ、行ってみれば分かるだろうということで、とりあえず行ってみることに。

木曜日の午後に行ってきたが、平日でもだいぶ混んでいた。視力検査のところにずらっと人が並んでいる。島根県で行列はなかなかお目にかかることがない。おそらく、運転免許更新くらいだろう。今年はコロナの影響もあって、正月の出雲大社でさえ行列がなかった。

「今回2回目の更新なんですけど、初回更新ってなってるのはなんでですか?」と聞いてみた。
「あれ? どういうことだろう。ああ、免許取得日がここに書いてありますよね。ここから5年経つまでは、初回更新の扱いになるんです。」とのこと。

なるほど。前回免許更新をしたのは大学の夏休み中だった。大学でアメリカにいる間に免許が切れてしまうため、期日前更新をしたのだ。そのため、私は2度目の更新を免許取得から5年経つ前にすることになったというわけだ。

それなら仕方がない。2時間の初心者講習をもう1度受けるのはそんなに気が進まなかったが、最近冬休みで勉強もしていないし、交通安全の勉強をする気持ちで2時間の講習を受けるかぁということに。

今回の免許更新までに、密かに私の中で思い続けてきた夢があった。それは「眼鏡等」を消すことだ。つまり、視力をアップさせること。はじめて免許をとってから、これまで2回免許をもったが、どちらも運転をする際は眼鏡をするようにと書かれている。

視力はとってもよかったのに、中学3年の時に姿勢を悪くして勉強をしてしまったせいで、ついに眼鏡デビューとなってしまった。でも、視力を改善したい気持ちはずっとあり....。まずは眼鏡がなくても車を運転できるようになることが目標であった。目の体操をしてから本番に臨もうとは思っていたのだが....。最近はゴロゴロと過ごしてばかりで目を鍛えられていなかった。この密かな夢は次の免許更新までお預けかな....と思いながらも、どうにも諦めきれずに「1回眼鏡なしで挑戦してみてもいいですか?」と聞いてみた。
「いいですよー」とおじちゃんが言ってくれたので、まずは眼鏡なしで挑戦。
運転免許更新の際の視力検査は両目で行われる。「見える、見える、見える、見える」と心の中で念じながら、とにかく必死で見る。大きいのは見えたが、小さいのは何度か間違えていたようで、片目ずつでもいくつか聞かれた。前の人は瞬間で終わっていたのに、私の番はやたらと長く感じたので、多分怪しいのがいくつかあったんだろうと思う。

検査が終わり一瞬の沈黙が私には永遠に感じられた (大げさ)。沈黙を破ったのはおじちゃん。
おじちゃん:「いいですよ。」
私の心の声:「え!? いいですよってどっちだ? あーやっぱりダメだったか。無理しなくていいですよ、眼鏡かけてくださいってこ.....」
おじちゃん:「ギリギリだけど、眼鏡はずしておきますね。」
心の声:「うぉおおおおおおおおーーーーーやっつぉたあああああーーーー!」

突然奇声を発したらだいぶやばいやつになるので、もちろんこの心の声は堪えたが、やりました! やりました! ついに、裸眼で運転できる栄光を手にしました。こぼれんばかりの笑みを浮かべていたが、おそらくマスクでかくれておじちゃんには見えていなかったのだろう。

何やら書いているおじちゃん。眼鏡なしでもいいということを書き込んでいるようだ。
おじちゃん:「じゃあ、これもって5番に行ってください」

免許はもう目の前だ! 書類と古い免許を差し出すと、今度は窓口におじちゃん2。
「うん? ああ、解除。(眼が) 良くなったんだ」と言うおじちゃん2の言葉に、嬉しくて思わず「はい、良くなったんですっ!」と私。とびっきりの笑顔でこたえるも、またもその笑顔はマスクの下へ。(というか、そもそも免許センターのおっちゃんたちは、忙しく何やら書き込んでいるので顔なんてみてない笑。まあ、もし、視力が良くなってくる人が珍しかったら、少なくともあの2人のおじちゃんは「今日は視力が良くなった子がおったな」と覚えてくれているかもしれない。)

そして迎えた最後の関門。そう....証明写真撮影だ。みなさんご存知の通り、免許証の写真撮影は....まーあ、ぶちゃいくに写る。満足いく写りになった試しはない。毎度のごとく番号で呼ばれる。私の今回の番号は「77番」。呼ばれるがままに並び、座り、いつ撮ったのかも分からないタイミングでシャッターを切られる。「しまった、笑ってない」と一瞬思ったが、そう、笑っちゃいけないのだった。

自分がどんな顔に映ったのか確認できるのは最後に新しい免許を受け取るとき。2時間の初心者講習の間は、どんな写真になっているのかなんて私たちは知る術もない。

さあ、やってきました。2時間講習。
「さあ、皆さん今回ははじめての免許更新ですね。」と会話をはじめる講師のおじちゃん3。「いや~2回目なんですけどね」と内心特になんの意味ももたないツッコミを入れつつ、講義に耳を傾ける。「午前は4人だけだったんですけどね、午後は多いですね。」とおじちゃん3。あおり運転の処罰が厳しくなったとか、運転中の携帯使用の処罰が厳しくなったとか。ニュースで耳にしてはいたが、細かくは知らなかった色んな話が続く。盛り込んでくる時事ネタやジョークを聞きながら、これもうトークできてるんだろうな。こういうあるあるネタものまねにしたら面白そうとか考えながら講義を聞く。ジョークとして言ってるんだろうというところでく、くすりとちょっと笑ってみせるが、これまたマスクで相手には伝わらない。マスクで無表情の聴衆相手に2時間も講義するのも大変だな、なんて考える。

前半の1時間の講習が終わり、休憩。休憩中にカフェオレを自販機で購入し、後半に備える。後半は安全運転の話がメイン。何度も聞いた話ではあるが、でも役に立つ。初回更新のときより、運転量が増えているからこそ、「ああ、たしかに。なるほどね。」となる話がある。最後に見るDVDは変わっていなかった。「危ない! そこに歩行者が!」という安全運転教育用のDVD。ダミー人形のおっちゃんが出てきて、運転中に潜む危険を教えるという内容。若干ホラー要素もある。

こうして2時間の講習が終わった。さあ、新しい免許とのご対面だ。まずは写真をチェック。そして「眼鏡等」が外れたのをみて、心が踊る。写真はびっくりするくらい前回と同じ顔をしていた。3年たって顔が同じなんだから喜んだほうがいいだろう。髪型は1つ結びからおかっぱに変わっていたが、それを除けば全くといっていいほどおんなじ顔をしている。まるで「あなたの好きな髪型を選んで!」と言われて、髪型を変えた携帯のアバターみたいに、同じ顔をしている。

ちなみに今回の更新では、有効期限の部分に西暦と和暦がどちらも記載されるようになった。たしかに、この方が便利だ。令和に変わってからなんとなく和暦だと計算がややこしくなっていたので、西暦のほうがありがたい。

家に帰ると、「どうだった? 写真は?」と父。やっぱり免許更新をしたら、最初に聞くのは写真写りだよね、と思いながら写真を見せる。「びっくりするくらい、おんなじ顔だったの」と言うと、笑いながら「ほんとだー」と父。「でもね、眼鏡は外れてるんだよおおお」とニヤつく私。

「写真で笑っちゃいけないってやだよなぁ。写りよくならないもんなぁ。」と父がいうので、「なんで笑っちゃいけないだろうね」と言うと、「まあ免許見せるときって大体違反したときだからじゃない?」と父。たしかに。違反で捕まってふてくされた顔の時に、免許証の顔が笑顔だったらなんとも皮肉だ。それに警察の人も見比べるには、真顔のほうがわかりやすいだろう。役所やレンタカーで本人確認として免許証を使うときはあるが、たしかに、その時もだいたい真顔だもんな、なんて考えながら、2度目の免許更新は幕を閉じたのだった。